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「GOD EATER 3」キャラクターノベル 第四章 ジーク編「紡がれる絆」


「GOD EATER 3」キャラクターノベル ジーク編「紡がれる絆」 ~4章-1話~
「こちらニール。エイミー、聞こえるか? ……ちっ、無線の調子が悪いな」
「ジーク兄ちゃん、どうしよう? 目的地は目の前だけど……」
「……進もうぜ。ここまで来て諦められねえだろ!」
 オレの判断に、ニールもキースも頼もしく頷いてくれた。
 ――オレたちは、ある目的のために限界灰域にやってきていた。
 寂れた町の中を慎重に、けど見落としのないように探索する。
 活動限界時間も少しずつ近づいてくる中、それでもオレたちは諦めなかった。
 オレたちの夢が、もうすぐそこにあるからだ。
「っ……お、おい……見ろよこれ!」
 そして、オレたちは遂に辿り着いた。
「ま、間違いないよ兄ちゃん!」
「ああ、遂に見つけた……これが愛好家の間で伝説と名高い……!」
 声を震わせているキースとニールの前で、オレは探し当てたデータディスクを高々と持ち上げた。
「バガラリーの映像特典付き設定資料集、ボリューム5……っ! 破損もねえ、完璧な状態だぁ!」
 歓声を上げて、思わず弟二人と肩を抱き合った。
 長い長いバガラリーの物語の空白を埋める、ファン垂涎の激レアアイテムだ。
「やったな兄貴、キース。灰域が発生する前から、こいつを求めて散っていった連中も多いと聞く……俺たちが、同士たちの想いを継いでいかないとな」
「うん、そうだねニール兄ちゃん。こいつは俺たちの宝物にしよう! ジーク兄ちゃん、凄い値がつくだろうけど、勝手に売ったりしたらダメだからね!」
「んなことしねーよ! 早速持って帰って、オレたちでじっくり楽しもうぜ!」
 バガラリーって作品を追いかけて、その良さを熱く語り合う。
 最近のオレたちにとっては、いつも通りのやり取りだ。
 けど、キースはともかく、ニールとまでこんな風に楽しみを共有できるようになるなんて、ちょっと前まで想像もしなかった。
「兄貴? どうかしたか?」
「ニヤニヤしちゃって、そんなに嬉しいの?」
「……へへっ、まーな!」
 オレたち兄弟の気持ちが一つになっているような、ちょっとむず痒い感じを覚えながら、船に戻ろうとした、その時。
 デカい音を立てて、廃墟の壁がぶち壊された。
 舞い上がる土煙を真っ黒な翼で払いのけ、血みたいな色の目でオレたちを睨みつけたのは――
「でぃ、ディアウス・ピターだ……っ!」
「兄貴、キース、俺が気を引く! 一旦戦いやすい場所に移動を――」
 が、次の瞬間。反対側の壁も音を立てて崩れ落ちた。
「こ、こっちからは灰域種だ! ヌァザと……ドローミ!?」
「くっそ、流石に全部相手にしてらんねえ! キース、ニール、逃げるぞ!」
 バガラリーのデータディスクを懐にしまい込んで、オレたちは全力で逃げ出した。
 薄暗い廃墟の中に三人で飛び込んで、肩を寄せ合って息をひそめる。
 地響きみたいな足音が遠ざかっていくのを感じて、三人揃って細くため息をついた。
「助かったぁ……兄ちゃん、データディスク、割れたりしてないよね?」
「おい兄貴、これまでの苦労を水の泡にしたらタダじゃおかないぞ」
 慌ただしく走り回ったオレを、弟たちが訝しそうに見つめる。
「大丈夫だっての。こいつだけは死んでも守り抜く!」
 こいつも、オレたち兄弟を繋ぐ大事なもんだからな。
 まだうろついているアラガミの足音を遠くに聞きながら、しばらく並んで黙り込んだ。
「……何かこうして三人でアラガミから隠れるのって、ちょっと懐かしいね」
 ボロボロの天井を見上げながら、キースがそう言った。
「……あの頃に比べたら、俺たちも随分変わったな」
 自分の手を見下ろしながら、ニールが呟く。
「そうだな……なぁ、お前らさ。兄貴たちのこと、覚えてるか?」
 子供の頃――安全に暮らせる場所を求めて、兄弟五人で旅をしていた時のこと。
 今でもあの頃の記憶は、はっきり思い出せた。

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