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「GOD EATER 3」キャラクターノベル 第一章 ユウゴ編「始まりの誓い」


「GOD EATER 3」キャラクターノベル ユウゴ編「始まりの誓い」 ~1章-5話~
 俺とルカは、それから先もエースとしてペニーウォートに残留し続けた。
あの時。俺とルカの間に偶発的に生じた現象は、エンゲージと呼ばれ、全てのAGEたちの間で起こり得る、意志を繋ぐ力なのだと、後に知れ渡っていった。
感応能力が大幅に上昇し、更なる潜在能力の解放と、互いの意識の共有が可能となることで、一時的に戦闘力が向上する。
各地のAGEたちの反抗心が高まっていた状況もあり、その力を自由にさせては危険と判断した各ミナトは、俺たちAGEをより一層強固に拘束し始めた。
ペニーウォートでもエンゲージの使用は原則禁止とされ、俺たちの自由も、これまで以上に徹底的に奪われるようになり、計画していた反乱も断念せざるを得なくなった。
AGEだけの、未来を切り開く特別な力だと思っていたのに。その力のせいで、未来を阻まれるなんて……皮肉な話だ。
だが、それでも――俺たちの胸から、自由を願う光は消えなかった。
二人の英雄が残したものが、ペニーウォートのAGEたちの絆を繋いでくれたからだ。
秘密の通信機で、牢獄を隔てても仲間と話が出来る状況を残してくれたこと。
反乱を企て、AGEたちの解放を願いながら死んでいった仲間がいたこと。
それが俺たちの心に、どれほどの勇気をくれたかは、本当に計り知れない。
どれだけ束縛されようと。自由を奪う鎖を喰い千切るその日まで。
あいつらはずっと、俺たちの夢を守ってくれた。
長い長い、俺たちの夢を――


「ユウゴ……ユウゴ!」
古い記憶を辿るような夢から、ゆっくりと、現実へと揺り戻される。
クリサンセマムの柔らかいベッドの上で、俺は目を覚ました。
心配そうな顔のルカが、俺の顔を覗き込んでいる。
「ルカ……? って……ヤッベ! 悪い、寝過ごしたか!?」
体感で寝坊したことに気づき、慌てて飛び起きる。
「十分くらい。ユウゴが寝坊なんて珍しいって、みんな心配してる」
「すまねえ! もうすぐ次の依頼だろ!」
「まだ時間あるから平気だよ。ジークは、寝坊してきたら後で何かおごらせようって笑ってたけど」
「くっそ、本当こういう時見逃さねえなジークの奴」
苦笑しつつロッカーを開ける。
……束になったチョーカーを目にして、ふと口をつぐんだ。
「ユウゴ? どうかした?」
「……いや、何でもねえ」
託された想いの束を腕に巻き付けて、俺はルカを振り返る。
「行こうぜルカ! 俺たちの――未来を切り開くために!」
「うん、行こう!」
クリサンセマムの天窓からは、明るい陽射しが降り注いでいる。
その空はあの日、サテライト拠点の中で見上げた空に似ていた。
光の下で待つ仲間たちへ向けて、俺は沢山の願いが宿る腕を掲げる。
この手に託された、多くの願いのためにも。
絶望を切り拓く、未来への航路。
俺たちはこれからも、その道を進み続ける。



著  翡翠ヒスイ(株式会社テイルポット)
原案 吉村 広(株式会社バンダイナムコスタジオ)

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